昨日、あなたに恋をした

「そうか?
 俺は好きなら、偶然を装ってバッタリ会って、ちょっと話すとかじゃ満足できないけどな。

 いつも側にいたいし。
 いっぱい話したい」

 いや……、新ちゃんはそういう人だけどね。
 なかなか人は、そうはいかないんだよ、と思ったとき、新太が言った。

「まあ、ともかく、この件に関しては、冤罪であることは明らかだ。
 だって、こいつは日子のストーカーで、その社長令嬢とやらのストーカーじゃないからな」

 どうも、その社長令嬢、東城を好きすぎて思いつめて、言いふらしてしまったようだ、と新太は言う。

「妄想の域に達していたのかもしれん。
 東城は彼女に恥をかかせてはと思って、会社をやめて去ったんだろう。

 自分はクビになったと周りに言って。
 やさしい奴だからな」

 いや、そんなことは……と東城は俯き言ったが、たぶん、それが真実なのだろう。

 前の会社の人たちも、東城と親しい人はすべて察していたに違いない。