昨日、あなたに恋をした

「楓さんっ、助けてくださいっ」

 ええっ?
 どうしたのっ? といつも頼れるやさしい先輩、日子が慌てる。

 ぎゅっと日子の腕を握る裕子は、

 私の心が勇者様から魔王様に傾きそうになっていますっ、
と思っていた。

 東城が聞いていたら、
「いや、俺は勇者のキャラはあまり選ばないんだが」
といきなりゲームの話をはじめそうだったが。

 日子は裕子を守るように抱き、
「新ちゃん、なにか言ったの? ゆーちゃんに」
と新太に訊く。

「この子、日子の後輩なんだってね。
 可愛い子だね」

 いや、可愛い子とかっ、と魔王様に褒められ、裕子は真っ赤になった。

「ゆーちゃんって言ったっけ?
 もしかして、東城が好き?

 こいつ、悪い奴だけどいいの?」

「東城さんは悪い人じゃありませんっ」

 だが、そうかばわれた東城は、いや、君とは今日入れて、二回しか会ってない気がするんだが……という顔をしていた。