昨日、あなたに恋をした

 禍々(まがまが)しいまでのオーラを新太は放っている。

 女は悪い男に魅力を感じやすいというが。

 だからだろうか。
 目も(くら)むほどの、いい男に見えた。

 いやっ、私は爽やかな東城さんが好きなはずっ、と思ったとき、日子が横断歩道を渡ってくるのが見えた。

「ゆーちゃん」

 ああ、女神のようだ、楓さんっ。

 八頭身美人どころか、ヒールのせいか、九頭身はありそうに見える日子が、いつもの気取りすぎないファッションで軽やかに現れる。

 悪魔に心を奪われそうになっていた裕子は、

 楓さんの放つオーラで浄化されたいっ、
と急いで日子の許に駆け寄り、その腕をつかんだ。

 いや、新太は、ただ東城より顔が濃く、押しが強いだけなのだが……。

 一気に心を持っていかれそうで怯える裕子には、美しい悪魔のように見えていた。