昨日、あなたに恋をした

「なんでって、その……。

 えーと。
 この間の後輩が、東城先輩と話したいって来てて、その。

 二人で、ゆっくり話させてあげようかな、なんて」

 そうなのか、と言う誠孝から手を離した。

「そろそろ、うちのベルゼブブが来ると思うんで。
 東城先輩、いっしょに出かけるはずだから、それまでお願いします」

 日子が頭を下げると、そうか、と言った誠孝は、辺りを見回し、
「じゃあ、その辺でお茶でもして待つか」
と言ってくれた。

 二人でマンションが見える、ビルの一階にあるカフェに入る。

 あまり目立たない感じのカフェなので、まだ存在に気づいてなくて、来たことがなかった店だったが。

 いい雰囲気の店だ。

 来てよかったな、と思いながら、日子は、
「私、おごりますね。
 私が引き留めたので」
と言った。