昨日、あなたに恋をした

 よしっ、頑張ってっ、と思ったとき、すぐ近くで、
「なんで渡らないんだ?」
と声がした。

 反射的に、はっ、敵っ、と思ってしまう。

 誠孝の声だったからだ。

「おっ、お疲れ様ですっ」

 じりっと逃げながら、日子は言ったが、誠孝は、

 どうした? という目で見ている。

 やられた方は覚えているのに。
 やった方は忘れてるんだな、そんなものだ……。

 変な奴だな、という顔をした誠孝は、次に信号が変わった瞬間、行こうとした。

「まっ、待ってくださいっ」
と日子は誠孝の腕をつかんでしまう。

「い、今、向こうへ行ってはいけません~っ」

「なんでだ?」