昨日、あなたに恋をした

 思わず、そう言ったが、
「やだなあ、沙知見さんはこの家のものじゃないじゃないですか。
 私のものでもないですしね」

 ははは、と笑って、日子は鍋を持ってキッチンに行った。

 その後ろ姿を見ながら、

 なんだろう。
 今、すごく寂しかったんだが。

 この家のものじゃなく、お前のものでもないと言われたからか。

 いや、お前のものになって、捨てられたいわけではないのだが……と機嫌のいい日子を見ながら誠孝は思っていた。