誠孝は一度部屋に戻り、スープを作り、持参して、日子の部屋に行った。
コンビニ弁当だけでは味気ないかな、と思ったからだ。
「あ、ありがとうございますっ」
と鍋を受け取り、日子は笑う。
「コンビニ行く前に部屋見てみてくださいよ~」
戻ってきたら、もう魔法が解けて部屋が汚くなっているのではと心配でもしているのか。
今すぐ見ろと日子は急かす。
当たり前だが、まだ部屋はピカピカだった。
いや、日子にとっては、当たり前ではないのかも、と誠孝は思う。
なにせ、一瞬にして、部屋を荒涼としたサバンナにしたり、雑然としたジャングルにしたりする女だ。
日子は満足げにおのれの部屋を眺めながら、
「ずっと、このままなら、いつでも誰でも部屋に呼べますねー」
と言った。
いつでも誰でも……?



