昨日、あなたに恋をした

 いやしかし、片付けもしないのに、こいつの部屋に行くの、緊張するんだが……。

 それに、乱雑な部屋なら、そっちが気になって、気がよそを向いてそうだが。

 綺麗な部屋なら、意識が日子に集中してしまうじゃないか。

 それはまずい……。

 誠孝は日子とは違う意味で、綺麗な部屋で緊張しそうになっていた。

「今日は……」

 ハンバーグの予定だから、うちに来るか、と誠孝は言おうとした。

 せめてうちのテリトリーに、と思ったのだが。

 日子は、綺麗な部屋を見て、褒めて欲しいようだった。

 フリスビー持ってきましたよ、ご主人様、と可愛く尻尾をフリフリしている仔犬のように日子は自分を見上げている。

 まあ、日子の家のもふもふ犬は、一度も持ってこないまま、こういう目で見上げていたんだが……。

 結局、根負けして、なにもしていないのに、褒めてしまった。

 あの犬、可愛すぎるっ、と思う誠孝は、犬とよく似た飼い主に向かって言った。