昨日、あなたに恋をした

「で、東城がどうしたって?」

「沙知見さんも先輩と大学が一緒だったのなら、どなたかから聞いて、ご存知だったんですかね?

 なんで、東城先輩が大手企業をやめて、ここで警備員をやっているのか」

 誠孝は黙っている。

 ど、どっちだ……。

 知ってるんですか。
 知らないんですか、沙知見さん、と日子は誠孝の表情を窺う。

 すると、しばらくして誠孝は、前を見たまま、ぼそりと言った。

「……いろいろあったことは知っている」

 そうか。
 知っていたのか、と日子は思ったが、違った。

「私もよく知らなかったんですけど。
 東城先輩の事件、結構広まっちゃってるみたいで。

 今の仕事にも差し支えないかなってちょっと心配してるんです。

 絶対、そんな事件、嘘だって私は思ってるんですけど。

 ……沙知見さん?」

 誠孝は前を見たまま、難しい顔をしている。

 そうか。
 沙知見さんも、胸を痛めてるんだな、と日子は解釈したが、そこも全然違っていた。