「やはり、幻覚ではなかったのですね」
とドアを開けて立つ誠孝に日子は言った。
「引越しのご挨拶に伺ったとき、現れたこの部屋の住人の方が、沙知見さんにそっくりで。
幻覚かなって思って。
いつか、たまたま帰ってきたときに、宅配業者の人が、
「沙知見さ~ん」
とこのドアに向かい、呼びかけてた気がしたんですが。
幻聴かなって思って」
「……お前はどれだけ俺の幻覚や幻聴を見てるんだ」
大好きか、と言われてしまう。
いえ、真逆でございます、と思いながら、日子は俯いて、その言葉を聞いていた。
「っていうか、お前は幻覚とゲームをやったのか」
そうですよね。
はっきりシゲタカって打ち込まれてましたもんね……。



