「ほんとうにありがとうございました。
沙知見さんがいらっしゃるまでは、片付けようもない部屋を見回しては呆然とし。
もういっそ部屋に火をつけようかと……」
「待て。
それだと、うちも燃えるだろうが」
いや、物の例えですよ、ええ……。
そんな話をしながら、楽しく食事をし、日子はまた思っていた。
これで沙知見さんとは、ただの仕事上の仇同士に戻ってしまうのかな、と。
誠孝が聞いていたら、
「いや、そもそも、仇ではない。
お前たちが往生際悪くペナルティをとられまいと頑張るのが悪いんだろうが」
と言っていたことだろうが。



