昨日、あなたに恋をした

 それにしても面倒見のいい人だ。

 ここに引っ越してきてよかったな。

 沙知見さんがただの厳しい邪悪な代理店の人ではないとわかって、と日子は思う。

 いや、元より邪悪なわけではなかったのだが。

 激しく攻撃されるので、悪魔のように見えていた。

 綺麗な顔で表情がないのが、怖かったし。

 だが、昨日、高道とゲームをやっていた誠孝が、無表情のまま、指先だけがコンローラーのボタンを激しく連打していたのは可笑しかった。

 自分もやってるときは、呑気に対戦相手を眺めている余裕はないので気づかなかったのだが、きっといつもそうなんだろうなと思い、日子は、ぷっと笑た。

 笑ったことが誠孝にバレたら、それこそ悪鬼のような目で睨まれそうだなと思いながらも。