そのあと日子たちは物が大量に押し込められている日子の部屋ではなく、高道の部屋でゲームをして遊んだ。
姉と別れてください、と言ったわりには、沙知見さんに懐いているな、と日子は弟を見ながら不思議に思ったが。
細かいことは気にならないタチなので、あっさり忘れた。
ベルゼブブこと、日子の従兄、楓新太ともオンラインで遊ぶ。
「信じられません」
と日子は言った。
「こんなに静かな時間が土曜に訪れようとはっ」
掃除で大変なことになると思っていたのに、と思う日子に、
「それはお前があれだけの荷物をどこかに片付けようとしていたからだ。
全部捨てて掃除するだけならたいしたことじゃない」
と誠孝は休憩してお茶を飲みながら言う。
「そりゃそうですが。
確かめもせずになにもかも捨てるだなんて、物に情があったらできな……」
言いかけて、日子は、ハッとする。
「だ、大恩人様を情なしのように言ってしまいましたっ」
日子は弟のデスクの上にあった小刀をとると、毛利元就と白い字で書かれた黒い鞘を抜く。



