そーれ、とってこーい、と日子はフリスビーを投げたが、ミカエルは後ろから日子の頭にかじりつくように乗ったまま、背中でもふもふしていた。
「……とってこーい」
ミカエルはもふもふしている。
犬と爽やかに遊ぶ光景に憧れて、フリスビーを買ったのだが、ミカエルが追いかけて走っていったことは一度もない。
ミカエルはフリスビーより人間が大好きなのだ。
なので、フリスビーを投げても、ずっとこうして人間にひっついているか、人間の周りを飛び回っている。
ずっと飛んでるんだもんな……。
うっかり屈んで、何度、顎に頭突きを食らわされたことか、と日子はあの痛みを思い出して顎をさすった。
そのとき、難しい顔をした誠孝と楽しげな高道が玄関の方からやってきた。
高道がミカエルと走り出したので、
「どうしました?」
と日子は誠孝に訊いてみる。



