昨日、あなたに恋をした

 そう。
 『仲がいい』のは、お隣の老夫婦。

 部屋の鍵を開けようとして、少し迷い、日子は廊下を挟んで向かいの部屋のチャイムを鳴らしてみた。

 いないといいな、と鳴らしておいて思いながら。

 だが、
「はい」
とすぐに返事がある。

「あ、あのー、たいした用事じゃないので、インターフォン越しで結構です。
 沙知見さん。

 下のお名前、なんでしたっけ?」