昨日、あなたに恋をした

 日子の母と向かい合い、お茶を飲む。

 それだけのことなのに、何故か、苦手な取引先の社長と話すより緊張していた。

 無性にもふもふもしたものに包まれたいっ、
と大きな白いもふもふ犬を見ながら、誠孝は思っていた。

 サモエドという種類の犬らしい。

「すごい大型犬に見えるけど、ほとんど毛で、実際はそんなに大きくないんですよ」
と日子が言っていた。

 ほとんどがもふもふ。

 今の自分にとっては理想的な犬だ、と思いながら、明るい日差しの中、ぐるぐる軽トラの周りを回っている犬を見る。

 それにしても綺麗に片付いている家だ。

 そのあと、弟のルシファー高道が家の中を案内してくれたが、どこもかしこも綺麗だった。

 高道の部屋はもちろん、高道の荷物に占拠されつつあるという日子の部屋も綺麗だった。

 きちんと整理整頓された状態で、物が押し込められている。

 高道が日子の部屋を片付け、そこに自分の荷物を入れたらしい。