昨日、あなたに恋をした

「ここまで運んで来るのなら、うちの実家に運び込めばよかったですね、やっぱり」

 自分で出すと言ったのだが、誠孝が、俺が捨てたんだからと言って、ゴミ処理代を出してくれたのだ。

 実家に運び込めば、そんなご迷惑をおかけすることもなかったのに。

 ゴミ処理代と労働代分、なにか美味しいものでもご馳走しようっ、と思いながら、日子は山の向こうを指さし言った。

「あの辺なんですよ、うち」

「……山しか見えないが」

「東城先輩んちは、あの辺です」

「……山しか見えないが」

 飲み干した缶を手に立ち上がった誠孝はその山の向こうを窺うように見ながら、

「せっかくここまで来たんだ。
 寄ってくか?

 俺はどこかで待ってるから」

 そう言ってきた。