「なんか……さっぱりしましたね、部屋」
がらんとして、越してきたときと変わらぬ感じになってしまった部屋を見ながら、日子は呟く。
生活感さえもゴミ箱にポイしてしまったようだ。
ちょっと落ち着かない感じの綺麗さだ。
「これだけのゴミを一気に出したら迷惑だな」
「なんて言うか。
さっぱり、というか。
虚無感、というか。
寂寥感、というか」
「かと言って、部屋の中に置いていたら、いつまでも片付かないしな」
「バッサリ生まれ変わったような心地です」
放心状態で噛み合わない会話を続けていたが、
「お金はかかるが、ゴミ処理場まで持っていこう。
ここは持ち込みのゴミ、受け付けてるから。
俺が出してやる」
と誠孝が言ったとき、ようやく日子は正気に返った。



