昨日、あなたに恋をした

「すみません。
 よろしくお願いいたします」
と観念して頭を下げる。

 よく考えたら、なんだか逆だな、と思いながら。

 沙知見さんが初めてうちに来るから、片付け、手伝ってーと、ゆーちゃんたちに言うのが普通では?

 仕事上、対立することも多いイケメン様に、
「友だちが来るから片付け手伝ってください」
というのは、おかしいのでは?

 だが、そんなことを考えている間に誠孝はもうリビングまで入ってしまっていた。

 部屋を見渡し、
「……いまどきの泥棒は、泥棒に入られたことを気づかせないらしいぞ」
と呟いている。

 おそらく、
「泥棒が入ったような惨状だな」
と言いそうになったが、最近の泥棒は散らかさないことを思い出したのだろう。

 つまり、私は泥棒以下か、と思いながら、日子は、この先はもう、ただただ沙知見さんの指示に従おう、と心を決めた。