昨日、あなたに恋をした

 東城は高校のときの先輩なのだが。
 なんだかんだで、今、ここにいる。

「先輩、防犯カメラって見ることできますか?」

「なにかあったのか?
 ストーカーか」

 いや、何故、ストーカー限定、と思いながら、日子は言った。

「……このマンション、泥棒入ることありますかね?」

「立場上、ない、と言いたいところだが、不可能ではないな。
 どうやったら侵入できるか教えようか」
と言われ、いえ、結構です……と日子は答える。

「泥棒が入ったのか?
 なにかなくなってるものでもあるのか?」

「いや~、特にないんですけど。
 誰か知らない人が、酔って帰った私と一緒に部屋でゲームをしてたみたいなんですよ」

「……それは単にお前が男を連れ込んだという話では?」

 いや、女なのか? と問われ、
「わからないです。
 ゲームにはシゲタカって登録してありましたけど。

 女性かもしれませんよね。
 ハゲタカの打ち間違いかもしれませんし」
と言うと、

「……何故、ハゲタカ」
と呟いたあとで、東城が言う。

「なんだかわからんが。
 泥棒かもしれないってことで、訊いてみてやろう」

 東城がすぐに警備会社に連絡してくれ、マンション入り口とロビーの監視カメラの映像を見せてくれたが。

 カメラには普通に帰ってきて、ひとりエレベーターに乗って上がっていく日子しか映っていなかった。