「勉強しろと言ったら、家中の鉛筆を削り始めるやつっているよな」
そんな声が真後ろでし、日子はフカフカのホコリとりを手にハッと振り返った。
悪いことをしていて、見咎められた気分になってしまう。
ドラッグストアで背後に立っていた東城がなにを言いたいのかわかる気がしたからだ。
「掃除をしろと言ったら、まず、いろんな掃除グッズを買ってしまう。
そして、大部分使わない」
うっ。
東城は近くにあった排水溝のつまりを解消する洗剤を取りながら言う。
「いや、お前は偉いぞ。
俺はすでに、掃除グッズを買うことすら放棄していたからな」
はあ、ありがとうございます、と礼を言っていいところなのかわからないながらも、日子は礼を言った。



