昨日、あなたに恋をした

 なんとなく上から誠孝の顔を覗いていると、ぱちっ、といきなりその美しい目が開いた。

「風邪ひかなかったか」

 ひいっ。
 普通、そこは、私みたいに、なんでここにお前がいるんだっ、とかからはじまりませんかねっ?

 寝落ちしたんですよね? 昨日っ、と思ったが、寝起きから冷静な誠孝は、
「いや、昨日、途中で、勝ちながらお前が寝てしまったのに気がついて。
 なにかかけてやらねばと思いながらも、俺も倒れて寝てしまったんだ」
と言う。

 そういえば、私が寝ている方向に向かって、手が伸びていましたが。

 あれは、なにかかけてやらねばと思いながらも、強烈な睡魔に襲われて無念っ、な形だったんですかね?

 なんか雪山で行き倒れたような壮絶さだな、と日子は思う。

 っていうか、その手だけずっと動かなかったの、すごいな。

 死んでもラッパを離しませんでしたみたいな。

 いや、違うか……。