昨日、あなたに恋をした

「そもそも、おはぎの材料ないだろうが。
 だから、放り込むな、酔っ払いめっ」
と言いながら、誠孝はすり潰すのを放棄し、一緒にナッツの中から大豆を探しはじめた。

 カシューナッツとピスタチオの隙間に挟まれている大豆をつまみ出しながら日子は言った。

「……ニチコって呼ばないでくださいよ」

「なんでだ」

 茶系のナッツの中で唯一色鮮やかなピスタチオを見つめ、日子は言う。

「ニチコって呼ばれたら、シゲタカって呼ばなきゃいけない気がするじゃないですか」

 向こうがゲームの名前で呼ぶのなら、こちらも呼ばなきゃいけない気がするからだ。

「呼べばいいじゃないか」

「いや、名前で呼ぶとか。
 この無礼者めっ、とかゼウスの(いかずち)とか降ってきそうじゃないですか」

「俺はゼウスと知り合いじゃない」

 とかいう、しょうもない会話をしながら、二人で大豆をすりつぶして食べた。

「これ、やっぱ、砂糖まぜるべきですね~」
と言いながら。