昨日、あなたに恋をした

「前からそう呼んでましたっけ?」
と言うと、誠孝は少し考え、

「いや」
と言う。

「そういえば、特に名前でも名字でも呼んだことはなかったな。
 この人は『楓日子』、と認識してはいたが、呼びかけずともいつも話が通じていたので、呼ぶ機会がなかったから」

 そうか、認識だ、と誠孝は頷いた。

「俺の中に、お前が日子だとインプットされたから、日子と呼ぶようになったんだ。

 だって、お前、『ニチコ』だろう?」

 は? と言ってしまったが、次の瞬間、気がついた。

 ……日子じゃなくて、ニチコかっ!

 あのゲームのランキング画面、

 ニチコ
 ニチコ
 ニチコ
 ニチコ
 ニチコ……

 で埋め尽くされていたはずだ。

 一位をシゲタカに乗っ取られるまでは。