昨日、あなたに恋をした

 お手洗いから戻りながら日子は思う。

 少し酔いはさめた。

 だが、まだ、ちょっぴり酔っている。

 ちょっと理性が戻ったが、まだふわふわしているこんなときだろうか。

 あれを訊くのは……。

 なんでさっき、私を日子って呼びましたっ!?

 そう真剣に考えている時点で、既にあまり酔ってはいなかったのかもしれないが。

 何故、ラグに斜めにリモコンが、と思いながら、日子はテーブルに戻る。

 誠孝はひとり節分を食べていた。

 彼の前に座った日子は、ぐっとグラスに残っていた酒をあおり、訊いてみた。

「沙知見さんって、私のこと、なんて呼んでましたっけ?」

 ズバッと訊こうとしたのに、ふわっと訊いてしまった~っ、と思いながらも、表情には出さずに見つめていると、

「日子」
とあっさり誠孝は言った。