昨日、あなたに恋をした




 日子に十分後、と言ってしまったので、誠孝は急いで食事の準備をしていた。

 もっと遅い時間に設定すればよかったのだが。

 何故か、口から勝手に、十分後、という言葉が出てしまっていた。

 日子の弁当が冷めると思ったせいだろうか。

 それとも……と思いながら、支度を整え待ったが、日子はやってこない。

 そろそろ十分後だな、と思い、インターフォンのカメラで外を見ると、日子は乾き物と酒瓶と弁当を抱え、ぼうっと廊下に突っ立っていた。

 だから、ストーカーか、とちょっと笑いそうになる。

「氷の女王様って感じですよね~」

 日子にやりこめられながらも、ちょっと憧れを含んだ口調で日子のことをそう語っていた後輩を思い出していた。