昨日、あなたに恋をした

「で、まあ、下りるのもめんどくさかったんですけど。
 家の中にはオレンジしかなくて。

 テレビ見ながらオレンジを何個も食べてたんですけど、満たされなくて」

「……ほぼ水分だからな」

「ああ、寝転がってテレビを見たまま、ピッとボタンを押したら、ウイ~ンって一階のコンビニまで下りないかなといつも思っていたものです」

「俺には寝たまま一階に下りたお前が、通りかかった人に踏まれる未来しか見えないが」

 いやまあ、そんな私からしたら、着替えてコンビニに行っただけで、及第点ってことですよ、と日子は話をまとめる。

 ちょうどエレベーターが日子たちのフロアについたので、
「失礼します」
と頭を下げた。

 いや、どのみち部屋の前まで一緒なのだが。