「君の好きな旅行先はどこだ。」
その男性客に声をかけられて
我に帰った。
そうだ。今は仕事中。集中だよ、杏。
「個人的にはローマが好きです。」
「ローマか。」
「ベタですけど、ローマの休日に憧れて。」
ようやく行けると思ったのにな。ローマ。
結婚もなくなったから
新婚旅行もなしだよね…
さよなら、アン王女。
「ありがとう。参考にさせてもらうよ。」
そう言うと、男性は立ち上がった。
「あ、何かありましたら、またご連絡お待ちしております。」
通常通り名刺とパンフレットを手渡し、男性を出口まで見送った。
その男性客に声をかけられて
我に帰った。
そうだ。今は仕事中。集中だよ、杏。
「個人的にはローマが好きです。」
「ローマか。」
「ベタですけど、ローマの休日に憧れて。」
ようやく行けると思ったのにな。ローマ。
結婚もなくなったから
新婚旅行もなしだよね…
さよなら、アン王女。
「ありがとう。参考にさせてもらうよ。」
そう言うと、男性は立ち上がった。
「あ、何かありましたら、またご連絡お待ちしております。」
通常通り名刺とパンフレットを手渡し、男性を出口まで見送った。


