イケメン御曹司と映画のような恋が始まりました!

「杏、ごめん。」


私は綾人の謝罪を黙って聞いていた。


隣にいるはずなのに
彼の声はまるで水の中にいるようにどこか遠くに聞こえた。



「会社の後輩なんだけど…何回か告白されてたんだ…」


あまり見えなかったけど
なんとなくかわいい子だった気がする。


「結婚前に…ちゃんと諦めるから、最後に一回だけって言われて、断れなくて。」


男にとっては夢みたいな提案だ。

私が男だったら乗ってしまうかもしれない。



「好きなのは杏なんだ。ごめん。許してくれ。」