誠の言葉を思い出しながら、愛は走り続けた


礼子のために…、礼子のそばに…。


誠の言葉が頭から離れず、涙が止まらない…


どれだけ走ったのだろう…。


苦しくて、苦しくて死にそうだった…。


こんなに走ったのはいつ以来だろう…。


とうとう愛の足は止まり、座り込んで泣き叫んだ!


『誠のバカっ!何で礼子なの!
あたしの気持ちも分かってよ…』


愛の中で何かが音をたてて崩れた…。


自分でも信じられないくらいの激しい感情が、言葉となって誠にぶつけた。


愛の涙は止まらない。


枯れてしまうんじゃないかと思うほど…。


愛は本当は分かっていた…。


誠の仲間思いの優しい気持ちも、自分を大切に思うからこそ、
しばらく逢わない事を決めた事も…。