愛を知らない操り人形と、嘘つきな神様


 俺はその後、本当に零次とスイパラに行った。
 バニラ、チョコレート、抹茶などのハーゲンダッツのアイスに、一口サイズの何種類ものケ―キ、かぼちゃやベリーのプリン、ミルフィーユ。
 スイパラにはたくさんの食べたことないスイーツがあって、本当に見たこともない景色が広がっていた。

 食べたことないものがありすぎて、どれから食べればいいか全然わからない。

「海里、困惑しすぎ」
 スイーツを見つめている俺の背中を、零次は笑って叩いた。

「だ、だって、スイーツありすぎて……」
「だからって固まるなよ。ぼーっとしてると、どんどん時間が過ぎるぞ?」
 確かに、時間は有限だ。

 バイキングが終わるまでは後一時間以上あるけど、こんな調子ではどんどんどん時間が過ぎてしまう。

「うっ。……わかった」
 そう言って、俺はスイーツを選んだ。

 どれにしよう。
 全部美味しそうなんだよなぁ……。

 ショートケーキとかチョコケーキは定番だし食べときたいな。抹茶は食べたことないから、どんな味か凄く気になるな。

「俺が選んでやろうか?」
 一口サイズのイチゴのケーキや抹茶のケーキなど、十種類以上のケーキが乗ってる皿を持っている零次が、俺を見ながら可笑しそうに笑う。

「え? 零次、それ全部食うの?」
 いくらなんでも、スイーツ多すぎやしないだろうか。
「食うけど?」
 零次は俺の言葉に当たり前だとでも言わんばかりに頷いた。
 大食いだ。俺にはとても真似できない。
「……凄いな。俺はその半分でも多いくらいなのに」
「別に凄くねぇよ。お前も、いつか俺くらい食べれるようになるよ」
 零次は俺の背中を腕で叩いて、楽しそうに笑った。

「……本当に、なれる?」

「おう。つか、俺がそうさせるよ。拒食症みたいに細い身体のお前を、俺が太らせる」
「うん!」
 心の底から笑って頷く。
 俺はその後、結局ショートケーキとチョコレートケーキと抹茶のケーキを選んで、零次とテーブルを挟んで向かい合わせに座ってそれを食べた。スイーツは、とても甘かった。