愛を知らない操り人形と、嘘つきな神様


 そのまま俺たちは雑談をしながらたこ焼きを食べた。
 たこ焼きを食べ終わると、俺達は食器とかを買ってからホームセンターを出た。

「じゃ、服屋に行くかー」
 零次がズボンのポケットからスマフォを取り出して、笑って言う。
 どうやら、マップで服屋の場所を調べているみたいだ。

「なんで鞄買いに行くのに服屋なんだ?」

「だって海里の服、制服しかないじゃん。ずっと俺の貸してるわけにもいかないだろ。それに海里細いから、俺の服デカいし」

「うっ」
 痛いところをつかれた。

 確かに俺は、零次の服がでかい。ズボンはベルトをしないとずり落ちるし、トップスは袖に三センチくらいの空きがある。

「お前服のサイズ、Sだろ。俺はMだぞ。なんで身長と靴のサイズは同じなのに、服のサイズだけ違うんだよ。太れ」
「べ、別に好きで細いんじゃないし」
 父さんが俺に、飯を食わせなかったんだよ。
「そうだな、アイツの所為だもんな。俺が太らせてやろうか」
 零次がにやにやと笑って言う。

「え?」

「揚げ物とか、甘いものとかバンバン食わせてやろうか?」
「え? いいのか?」
「ああ。むしろなんでダメだと思ったんだ?」
 零次が不思議そうに首を傾げる。

「俺、飯抜かれるの日常茶飯事だったから、あんまり甘いモノとか、揚げ物食べたことなくて」
「誕生日ケーキとかクリスマスケーキも食べたことないのか?」
「そういうのは、片手で数えられるくらいの回数しか食べたことない」
「海里、予定変更だ。スクバ買うのは明日にして、スイパラに行こう」

「スイパラって何?」

「スイーツパラダイス! 時間制でスイーツのバイキングができるとこ! ああもう! マジでお前の親殴りたい! 俺、お前が今どきの若者がどこにいってるかとか知らないのかわかるたびに、お前の親が腹正しくなる!!」

 顔を怒りで真っ赤にして零次は叫んだ。

「れっ、零次」
 零次の剣幕にビビって、後ろに一歩下がる。
 零次は動揺した俺を見て、ハッと我に返った。
「悪い。急に怒鳴るからびっくりしたよな」
「うん」

「俺が教えるから」

 俺の頬を触り、俺の目をまっすぐに見据えて零次は言う。

「え? 何を?」
「俺がお前に外の楽しさを教えるから。俺がお前を物知りにする。見たこともない景色を、たくさん見せるから」
 零次は俺の両手を握って、真剣な顔をして言った。
「うん。ありがとう」
 俺は笑って頷いた。