きみと真夜中をぬけて







学校に行きたいと思った。

そう思ったきっかけは当然のことながら先日の文化祭である。




杏未と綺と一緒に過ごしたあの時間が宝物のようだった。

私がちゃんと学校に通えていたら、何気ない日常もきらめいていたかもしれない。綺が私の学校の文化祭に来ることだってあったかもしれない。




これは後悔ではない。


私が、私を好きになるための振り返りだ。

杏未が言っていたように、空白の時間があったからこそ、今こうして考えることができた。



きっかけなんて、そんなもんだ。

そんな感じでいいのだ、(じんせい)は。



留年確定でも、杏未以外知り合いがいなくても、マイやシホ、桜井くんと顔を合わせなくてはいけなくても。


今の私なら、漠然と大丈夫な気がするから。


私がひとり、太陽の光から逃げるように部屋に籠って、誰に見せるわけでもない読書感想文を書いていた時間も、夜を歩いていた時間も、無駄だなんて思わない。


自分のことを空っぽだとも、もう思いたくはなかった。