きみと真夜中をぬけて






スイカバーもまさか誰かの生きがいになっているとは思うまい。


人生は何年生きても攻略不可能だけど、生きる理由はそんなことでもいいんだよなぁと、綺にその話を聞いた時に思ったことがある。




綺が日々を生きる理由のひとつは、“スイカバーが食べたい”という願望。


そうだとするならば、私が日々を生きる理由の中にあるのは───…



「綺」

「うん」

「……すごく綺麗に星が見えるところ、行きたい」





出会った時から密かに抱いていた。

考えていたことがどうでもよくなって、「すごい」以外の言葉を失うくらいの星空を綺と一緒に見てみたかった。



今日の天気は晴れ。

(ひかり)がたくさん空を歩いている日だ。




公園じゃなくて、もっと星を近くに感じられるところで、きみと。