きみと真夜中をぬけて






家族に見つからないように部屋を出て、感情の赴くままに公園に向かった。




「なあ、深夜徘徊不良少女」



小学校の裏にある、滑り台とブランコしかないこじんまりとした公園で彼女を見かけたあの時とどこか似ている感覚だった。




リベンジがしたかったわけじゃない。

やえに対する後悔を、新しく埋めようとしていたわけでもない。




違うんだ、そうじゃなくて俺は。

蘭を見て、ぽんっと頭に浮かんだ言葉を口にして、気づいた。




「夜は、ひとりじゃ寂しいからさ」





俺はずっと寂しかったのだ。やえに声をかけたあの時も、そうだったのかもしれない。


今更漠然とした気づきを得たことに、なんだか笑えた。




やえにもこんなふうに素直に声をかえることができたら、俺にも、こんなふうに言ってくれる人がいたら。

心のどこかで、そんな願いも込めていた。