「マリア、話が出来ませんのでとりあえず、ここの執務室に入りましょう」

「それもそうね! 先に入って待っててちょうだい。お茶を……」

そこにひょっこりと顔を出したのは、マリアさんにそっくりの瞳と髪の可愛い女の子だった。

「お母さん、それは私がメリッサおばさんに頼んでくるから。お父さん部屋に突っ込んで。さっさとお話、始めた方がいいよ」

そういうなり、クリストフさんはサラッとスルーして彼女は歩いて行ってしまった。

「ジェシカ、よろしくね」

そうしてとりあえず、団長執務室で今後の話し合いをする事になったのだった。

「いきなり、こんなでごめんなさいね。さて、黒の乙女が現れたということは、やはり四方の砦と周辺国の近況は変わらず。むしろ悪化していると見ていいのかしら?」

そう言ったマリアさんに、ベイルさんが答える。

「各砦からも、そのように報告が上がってますね。一番キナ臭かった西を撤退させましたが、今後は北か東が危ないでしょう」

それに頷きつつ、マリアさんが続けた。

「むしろ、どこかしらが手を組んで同時に攻めてこられると、こっちは大変だわ」

それにベイルさんが深く頷き、言った。