「明日はシフト入ってないし、ゆっくり休んで」

「ありがとうございます。……すみません」

 わたしは佳奈美さんに「じゃあ……今日は早退させて頂きます」と言って勤怠を押して帰宅した。

「はぁ……」

 帰宅するとなんだか、頭がボーッとする気がした。それになんだか、風邪っぽい症状もある気がする。

「ご飯、作らなくちゃ……」

 立ち上がると、クラッとしてまた座り込んでしまった。

「あれ、わたし……どうしたん、だろっ……」

 段々と意識が遠のいていていく……。
 
「あれっ……」

 そしてわたしはそこで、意識を失った。







「…………。あれっ、わたし……?」

 目が覚めると、わたしはベッドの上にいた。

「紅音、目が覚めたか?」

 目の前にいるのは、正真正銘爽太さんだった。 

「爽太さん……?なんで、わたし……」

「紅音、すごい熱だったんだぞ?」

「熱……?」

 わたし、熱が……?

「びっくりしたよ。帰ってきたらリビングで紅音が倒れてて……。抱き上げたら体がすごく熱くて、焦ったよ、マジで」

 爽太さんは心配そうな目でわたしを見ていた。