爽太さんのことを、愛してる。世界中の誰よりも、わたしは爽太さんのことを愛してる。

「体に気を付けてな、紅音。……元気な赤ちゃん、産んでくれよ」

「……はい。必ず、産みますから」
 
 わたしは爽太さんにそう告げると、「赤ちゃん産んだら、また連絡します。……写真もいっぱい送りますし、いっぱい連絡……しますから」と話した。
 だけど話しているうちに、どんどん涙が溢れていきて……。

「……紅音、泣くな」

 爽太さんは優しく涙を拭ってくれる。

「ごめん……なさい」

「笑って、見送ってくれるんだろ?」

 爽太さんはそう言って、笑っていた。

「……はいっ」

「必ず帰ってくるから、待ってて」

「っ……はいっ」

 やっぱり爽太さんと離れたくない。ずっと一緒にいたいよ……。

「愛してるから、ずっと」

 爽太さんに抱き締められると、本当に幸せな気持ちになる。

「……はい」

 爽太さんはわたしのお腹に手を触れると、お腹の子にも「パパは必ず帰ってくるから、待っててな?」と話しかけていた。

「この子は、わたしが守り抜きますから。必ず」

「……ああ」