8月25日(前編)

覚悟は決めていたし、後悔なんてしない。

これでまた一つ水樹くんのことを知れると思うと嬉しくて仕方なかった。


「嫌になったら言って?」


そう言うとさっきのキスとは違い、どこまでも優しいキスが降ってきた。

ああ…もうこれだけで幸せだ。


なんて思えてしまうわたしは単純かな?




それから過ごした水樹くんとの時間は、これまで生きてきた中で一番幸せな時間となった。

もちろん一番恥ずかしい時間ともなったけど。



その帰り、家まで水樹くんに送ってもらっている道中…

幸せに浸っていると水樹くんの声が夜道に響いた。


「ね、逞のことなんだけど」

「平野くん?」