8月25日(前編)

「んーそうだな〜……色気、かな」

「色気…」

確かにそれはわたしにはないだろう。


でも色気って…

そんなのわたしには難しい。


「そんなに難しく考えることないんじゃない?」

「でも…」

「ね、さっきから思ってたんだけど、何をそんなに焦ってんの?」

と真っ直ぐ見つめられる。


焦ってる…?

わたしって焦ってるの?

「本当は慧じゃなくてもいいんじゃない?」


そう言うとお兄さんの顔に笑みが見える。

そして、その笑みが危険だとわかってしまうのはなぜだろう。

「え、ちょっと…な、何ですか?」


あっという間に隣に移動してきたお兄さんから視線がそらせない。