8月25日(前編)

「帰るの?」

「…帰る…だから離して」

もうお願いだから1人にさせてほしい。


「じゃ、俺も帰る」

「え…なんで?」

「紗良ちゃんがいない学校なんて楽しくないし」

なんだそれ。

わたしがいなくても何ともないくせに。


水樹くんにはたくさん友達がいる。

それに、わたしと話すのだって木曜日の放課後だけ。


そんなんでよくそんなことが言えたもんだ。

「水樹くんは戻りなよ…みんな待ってるよ」

今頃、教室は騒がしいことになってるんじゃないかな?


「そんなのどうでもいい。俺の一番は紗良ちゃんだから。行こ?」