答えつつ、俺はろうそくに火をつけた。その火を線香に移して、上がった細い煙を見つめる。
足立が首を傾げ、「ま、いーや」と声色を明るくした。
「どうせ帰ってもアイス食べてテレビ見て寝っ転がるだけだしね~」
道中に買った花を添え、四人で手を合わせる。穏やかな沈黙が空気と共に流れた。
足立の言う通り、もっと時間のある時にここへ来るべきだったのかもしれない。でも、俺はどうしても今日、来たかった。
出雲。俺、やっとレギュラー入りできたよ。中学三年間ダメダメだったけど、今日、大会のメンバー発表で自分の名前が呼ばれた時、ようやく報われたって思った。
高校入ってからサッカーばっかりだし、朝練の影響で授業中は眠いし、勉強は散々だけどさ。でもそのおかげで、今まで話すきっかけがなかったやつに勉強教えてもらってさ。そいつも入れてみんなで昼休み、サッカーできるようになったよ。
ありがとう。出雲、ありがとうな。
一年かけて、ようやく彼女に伝えられた。それが清々しくて、やっぱり今日来て正解だった、と安堵する。
気が付けば俺以外は既に顔を上げていて、隣にいた足立が黙ったまま、俺を待っていた。
「良かったね」



