彼女の父親が警察に伝えた言葉。

「朝日の部屋には普段から入ることはありませんでした。掃除も洗濯も食事も一人暮らしから帰ってきた朝日が全て自分でしていました。それは加齢臭のする父親と同じ洗濯機で洗って欲しくないとか、顔を合わせてご飯を食べたくないとか、食事の時間が合わなかったからという理由があったからです。思い返すと、幼い時から、朝日は兄弟や妻と同じ机を囲んで食事をしていることは少なかったと思います。ひとり別のところで食べているか、時間をずらして食事をしていた気がします。
私は三兄弟みんな同じ愛情を持って育てていたつもりですが、確かに妻は朝日にだけ厳しかったように思います。朝日が妻に口答えすると、朝日のお茶碗や洗濯物だけ洗われずに廊下に放り出されていたり、勉強を後回しにする朝日の教科書やノートは窓から外に投げ捨てられていたことが小さい頃に何度かありました。