大矢は彼女が命を捨てた1週間前にInstagramに奇妙なストーリーを投稿していたことを思い出した。

彼はその投稿をスクリーンショットしていた。

真っ暗の背景と共に付け加えられた文章。

『踏み出す勇気も覚悟もなかったのに。じゃあ、現状を良くしようってことすら諦めてんのに。中途なことせんといて欲しい。
どこまで行っても、何歳年取っても、今してるその行動が誰かを苦しめてること、知って欲しいし、気づいてほしい。お願いやからやめてよ』

意味深なこの発言を彼は仕事終わりに会社の喫煙所で見ていた。

でも別れて2年以上経ってるし、自分のことではないと思った大矢であったがこの時の投稿には動揺していた。

大矢のスマホのアルバムには今もなお、不倫関係時代に彼女からもらったプリクラや2人で出かけたときに撮影した写真などか消されず残されていた。

久しぶりに彼女のTwitterを見に行くと、少し前までは載っていなかったのに自己紹介が増えていることに気づく。