もう顔を見ることもないんやね。
あんたのお母さんは終わったんやね。

昔から、何かと問題行動を起こす子やったね。
初めて子供の前で泣いたし、あんたには手もたくさんあげた。
言うことを聞かない、反発する子、反抗期が長かったよね。
何にも相談されることは無かったのは思春期、反抗期やと思ってた。

唯一、妊娠した時だけ頼ってくれたね。

もう2度と、喧嘩することも、これからあるはずだった未来の話も聞くことができないんやね。
親子をやり直せないんよ。

「はぁっ……はぁっ…はぁっあ……」

母親は過呼吸になり、泣きじゃくる。

よだれと鼻水が流れ落ちる。

近くにいた親戚に支えられ、風の当たる外へ連れ出された。

「………すまん、朝日。申し訳ない…」

父親は小さな声で呟いた。

彼女の身体が炎で焼かれ、灰になる。

白い煙だけが空へとのぼっていく。