父へ



わたしはちゃんと死ねる方法を選んだから、絶対に生きてはいないと思うけど。
もし生きていたら。
うまく死ねなかったら。
障害が残ったら。
もう諦めて安楽死させて欲しい。

死ぬまで、意識が戻るまで、待たないで欲しい。
もし目が覚めて生きてたとしても私は必ず、また死を選ぶ。必ずだよ。

携帯の解約と銀行だけ死んだ後に手続きしてほしい。
他の契約は全部切ったし、クレジットカードも解約した。
会社にはクリーニングに出した制服を返すのと、
会社のロッカーは掃除して空っぽにしてあるからって伝えてほしい。

最後に火葬するとき、
封筒に入れてるエコー写真を一緒に焼いてほしい。

わたしはもう生きるのをやめるから。
もう伝えたいことも、母や父に分かって欲しいところもない。

本当に生まれてこなかったら良かった。
生まれてきてごめん。
父と母の子に生まれてごめんね。
大人になったわたしに帰る場所をくれてありがとう。
じゃあね。