それから暫くし、紫音と芳樹は生物室を出た
「……」
2人の気配がなくなり裕貴は飛び出り
「くそっ……なんで…」
悔しい気持ちと苛立ちと悲しい気持ちが
一斉に裕貴には押し寄せてき壁を叩く
「…いつまでも…見てるだけじゃ駄目か」
押し寄せてきた感情の中では
嫉妬心が勝ってしまい…
「もう…我慢できないな…」
ポツリと一言放ち、生物室を出り
天哉の元へ向かい合流したが
裕貴の表情は曇っていた事に天哉は気づき
「おい」
「……」
「おいって」
「………」
「裕貴!聞いてんのかよ」
「………」
天哉が話をかけても心ここに在らずで
返事もなく裕貴の肩を天哉は持ち
「おい裕貴「紫音が」」
「は?」
「紫音がキスしてた」
「あ?」
裕貴が告げた言葉に天哉は機嫌悪くなる
「誰とだよ」
「……生物の…」
「園田か?…んだよ…何だよそれ…」
「俺も…何が起きてたか把握できてない」
「あいつ帰ったのか?」
「あいつと。」
「くそっ」
天哉はついに本気でキレ始め
裕貴も機嫌が超絶悪く
雰囲気でわかる程 凄く怖い。
「紫音家…行くぞ。納得できねー」
「……」
ふたりは、寄り道することも無く
無言でまっすぐ自分たちの家もあり
目的地でもあるマンションへ向かう。
ピーン ポーン
ふたりはマンションに着き紫音の家の前にて
「……」
「まだ帰ってねーのかよ」
紫音の家の前でふたりは眉間に皺が寄り続ける
ガチャッ
家の扉が開き
「あら、た〜くんとひーくん」
「こんばんは、おばちゃん」
「こんばんは」
「紫音ならまだ帰ってきてないわよ?」
「「え」」
「でももう帰ってくる頃だから上がってけば?」
「ありがとうございます」
「お邪魔します」
「お邪魔します」
扉から出てきたのは 紫音の母親だった
紫音の母親が家に招き入れてくれて
ふたりは家で待たせてもらう事にした。
「2人して眉間釣り上げちゃって」
「すいません」
「いいんだけど、紫音と何かあった?」
「あ、いや」
「ふふ…晩御飯も食べて帰る?」
「やった」
「ゆっくりしていってね」
「ありがとう、おばさん」
「ありがとうございます」
こうして2人は家で紫音の帰りを待つ事したが
18時になっても帰ってこない紫音に
母親まで疑問を持ち出し心配し始め
「こんな時間までどこほっつき歩いてるのかしら」
「おばさん、いつも?」
「いいえ?こんなの初めてよ」
「裕貴、紫音探しいくぞ」
「うん」
ふたりは探し行くことにした途端
玄関のドアが開いた
「ただいま〜」
そう。紫音が帰ってきた……
「紫音!こんな時間まで」
「こんばんは」
園田芳樹も一緒に居たのだった事で
その場の空気が更に悪くなり
「あなたは?」
「申し遅れました、物理の担当している教師です」
「お前っふざけんなよ!こんな時間まで」
「紫音!こっち来なさい!!!」
天哉が怒鳴り始めた途端母親が怖い顔をして
紫音の事を呼んだ。
「お母さん…?」
「紫音は悪くないんです、俺が」
「紫音…教師なのに下の名前呼んでるんですか?」
「お母さん違うの「貴方は黙ってなさい!」」
紫音の声も届かず 母親は芳樹の方を向いている
天哉も裕貴も止める事無く話し続ける母親
「娘とはどういうご関係ですか?」
「紫っ…娘さんとは…教師と生徒です。」
「え」
「は?」
「あ”?」
「ただの、教え子と先生なんですか?」
「はい。嘘では無いです」
「こんな時間まで引っ張り回して
どういうおつもりですか?」
「すいません。学校で勉強していました」
「もういいです。次は無いですからお帰り下さい」
まだまだ言い足りないが堪えて帰らせる事にして
早々と家から追い出す 母親
「では、お帰り下さい」
「はい、お邪魔しました」
「送っていただきありがとうございました。」
芳樹を送り出し紫音の方を向く 母親
「……」
紫音は泣きながら下を向いている
きっと状況確認ができていないのだろう
そうして関係性を隠され傷ついたのだろう
「紫音」
「…」
誰か見ても叩きそうな空気感の母親を見て
天哉と裕貴は止めようとしたが……
「え」
「かった…よかった…無事で…よかった」
紫音を抱きしめ、泣き始めた母親に
紫音…もちろん…天哉と裕貴も驚き
「何にもなくて…無事でよかった…」
「お母…さん」
「心配かけんじゃないわよ、バカ娘が」
「ごめん…なさい」
それから時間が経ち状況は一辺と変わり
小一時間紫音は、母親にみっちり叱られた
「紫音。」
「どうしたの?裕貴」
「お前に話があるんだよ俺たち」
「天哉?」


