学校から真っ直ぐ帰宅した紫音。
「ただいま〜♪︎あれ?」
かなり上機嫌な紫音が帰りつくと
玄関に見覚えの靴がありリビングに行き
「あら、紫音おかえりなさい〜」
「お母さん、ただいま〜」
「おかえり、紫音」
「ひ〜君?どしたの?」
「母さんから頼まれてお届けもの」
「ひ〜君ママから?」
「うん、おばさんに」
「な〜んだ。そっかそっか♪︎」
誰が見てもわかる程ご機嫌な紫音を見て
裕貴と紫音の母親は顔を見合せ
「紫音何かあったの?」
ついつい裕貴が話をかけると紫音は
言いたそうな表情をした。
「ん〜 ちょっと…ね♪︎」
「……なに?」
「……秘密守れる?」
「うん」
「じゃ〜ひ〜君ちょっときて〜!」
「ちょっ紫音」
声をかける暇もないくらい裕貴の手を
引っ張り自分の部屋に連れていく紫音
「どうしたの?」
「梨華が恋してるの!!!」
「え?」
やっと話せたからなのか 興奮する紫音だが
その真逆でキョトン。としている裕貴。
「えーと…それで?」
「その相手は…誰だと思う!?」
「…それがっ……だ、誰なの?」
"それがどうした?"と言いたかったが
あまりにもキラキラした目をしているから
"興味が無い"とも言いきれなかった裕貴
「そ・れ・は・・・天哉なの!」
ビシッ と効果音でもつきそうな勢いで
人差し指を裕貴に向ける紫音。
「…へぇ…それは梨華から聞いたの?」
かなりどーでも良さそうな表情をしてるが
紫音は裕貴が くいついていると思っている。
「そう!梨華の口からハッキリ聞いたの!」
「そっか…意外と…お似合いなんじゃない?」
裕貴は紫音の部屋に置いてある漫画を
読み始めながら適当に当たり障りなく
答えると 思ったよりもがっついてきた紫音
「え!裕貴もそう思うの!?実は私も!!」
「あぁ…そう…はは」
「でも噂があるらしいんだよね」
「噂は所詮噂だからね〜」
「そうだよね…でも…裕貴の事だけどね」
「ん?」
「梨華は、裕貴のことが好きなんだっていう」
「……ねえ、紫音」
読書中の漫画を閉じて紫音の方を見ると
「な〜に?」
「ある訳ないでしょ、梨華だよ?」
「…でも腐れ縁みたいな所もあるじゃん?」
「じゃ、逆に聞くけど紫音は、見れる?」
「……へ?」
「俺と天哉の事。異性として意識できる?」
「裕貴と天哉を?…ないないない」
「……そう…でしょ?」
なに気なく振られた事がキツくなる裕貴は
苦笑いを浮かべることしかできなかった。
「裕貴と天哉も無理でしょ、私をなんて」
すごい笑いながら話を振る紫音対して
真剣な顔になる 裕貴
「見てるよ?ずっと。」
「そうでしょそうでしょ…え?」
「あっ……ごめん紫音俺今日はもう帰る」
「え、ちょっ、裕貴ー!」
今ままで隠してきた気持ちが露わになり
やばい。と思ったのか急ぎ足で帰った裕貴


