コンコン…



「はい。」



4回目のノックでようやく返事があった。


間違えようがない
探し続けていた妹の声だ。


「開けて。」


「誰?」


そっと開いたドアの隙間から
杏奈が顔を覗かせた。


「な…」


驚いた杏奈はドアを閉めようとしたが、想定内だ。


足を滑り込ませて、それを制した。



「話をしよう。」