「せ、せまいよ…」


その距離に顔を背ける彼女に、更に有は身体を寄せた。


「…ひま。」


なに…

どういうこと?


やめて。



「…俺の部屋、来いよ。」


ドクン


少し怒ったように有を振り払おうとするその子を
有は強引に引っ張った。


私は思わず陰に隠れて、身を潜めた。


私に気づかず、
二人は有の部屋に消えていった。


有…


しばらくドアの前に立っていたけど
2人は出てこなかった。


幻聴なのか、本当なのか
ベッドがきしむような音が聞こえた気がした。


うそ…



「…っ!」


気づいた時には部屋を飛び出していた。